新規設立する株式会社の「株式1株当たりの金額」について

現行の会社法では、株式1株当たりの金額について、制限はありません。

ですから、“1株当たり5千円”でも“1株当たり10万円”であっても法律上はO.K.です。

一般的には、“1株当たり5万円”あるいは“1株当たり1万円”とするケースが多いです。

“1株当たり5万円”とするのは、旧商法の規定の名残だと思われますが、当事務所ではお奨めしていません。 

当事務所では、特に資本金1000万円未満の比較的小規模な株式会社を設立することを希望されているお客様に対しては、“株式1株当たりの金額1万円”にした方が良いと助言しています。

《メリットその1》
持株数（その株主が何株所有しているか）が一目瞭然であること

たとえば、260万円出資している株主Aさんの持株数を計算する場合、1株1万円であれば、“株主Aさんの持株数＝260株”と簡単に計算できます。

ところが、“1株当たり5万円”にしているとどうでしょうか。

計算が得意な方なら簡単に暗算できるのかもしれませんが、『「260万円÷5万円」 っていくら？何株？』という風に戸惑ってしまう方が多いのではないでしょうか。

もちろん電卓などを使えば簡単に計算できるのですが、いちいち電卓で計算しないと持株数を把握しづらいというのも不便ですよね。

その点、“1株当たり1万円”としておけば、出資額が260万円であろうが、285万円であろうが簡単に持株数を計算することができます。 

《メリットその2》
将来増資する場合や保有する株式を譲渡する場合においても、1株当たりの金額が少ない方がやりやすい（融通が利く）こと